グラフィックを新しい次元に押し上げるZBrush

多くのビデオゲームユーザーは、常にリアルなキャラクター、リアルなビジュアルの中で快適にゲームが遊べる事を望んでいます。中でもヘビーなゲームユーザーはPCあるいは家庭用ゲームマシンである事に関係無く、ゲームの内容・ビジュアルをよりシビアに評価します。従って、これから登場するゲームへの期待値はこれまで以上に引き上げられていると言えます。

今以上のリアル感を作り出す為にZBrushは「必要不可欠なソフトウェア」と言えます。もちろんZBrushでは描ける全てのディテールをビデオゲーム画面上まで持っていく各種ツールを提供しています。ZBrushではキャラクターから建物の柱まで、ゲーム内のありとあらゆる物を作成する事ができます。もちろん、パイプラインとなっている3Dオーサリングパッケージで作成したモデルを改良する為にZBrushを使用する事もできます。

ZBrushでは、3D空間上にアイデアをスケッチする事ができます。用意されている球や四角形を粘土のように凹凸させるのはもちろん、ZSphereでキャラクターの基礎的なスタイルを検討したり、その上にZSketchで肉付けしたり、もちろん、いきなりZSketchで何も無い3D空間上にスケッチを描く事もできます。ものの数十分でキャラクターのラフスケッチが出来上がる事でしょう。ZBrushを使えば実際に紙にスケッチを描くのと同じような感覚でデジタルなキャラクターの下書きを作る事ができます。ディレクターから下書きにGoサインが出たなら、スカルプトできるメッシュに変換してさらにディテールを作り込む事ができます。なおこの時点でポリゴンの構造を気にする必要はありません。モデルアーティストは全てが完成した後に、リトポロジーでリグ用のメッシュを起こしアニメーション部門に送る事ができます。

服や装甲などキャラクターに密着したオブジェクトは、体のメッシュから抽出する事ができます。取り出した型を元にディテールを付けて、テクスチャーをペイントしリトポする事ができます。サーフェスノイズと彫刻ブラシを組み合わせて自然なダメージのディテールを加える事も簡単です。ZBrushはアーティストの創造力を妨げません。

ZBrush アーティスト: Alessandro Baldasseroni
Blurスタジオ提供ZBCスレッド参照
Epic Games提供
ZBCスレッド参照

テクスチャー作成の為のZBrush

ZBrushのポリペイント機能は、実在する「物」に対して描くようにデザインされています。テクスチャーを描く為にUVマップを作る必要はありません。またペイントする際にUVのゆがみやシームについて心配する必要もありません。アーティストはUVの作成を後回しにして、いつでも好きなタイミングでUVを作成・変更する事ができます。ポリペイントのデータはいつでもテクスチャーマップとして変換する事が可能です。逆にテクスチャーマップからポリペイントへの変換も可能です。ZBrushから出力したテクスチャーマップは他のソフトウェアやゲーム内で一般的なテクスチャーマップとして利用する事ができます。

ZBrushでは、他のソフトで作成したUVマップを取りこんだりZBrush内でUVを新しく作る事ができます。無償の UV Master プラグインを利用すれば、歪み無くかつPhotoshop等でも編集し易いUVマップレイアウトをほんの数秒で作る事ができます。

ZBrushは、Adobe社のPhotoshopやコーレル社のPainterのようなアーティストが好むデジタルペイントプログラムと連携する事ができます。無償の ZApplinkプラグインを使えば、プロジェクションペイント中のZBrushキャンバスをペイントプログラムに送信し、ペイントプログラム上でテクスチャーを編集・再ペイントする事ができます。ペイントしたら直ちにZBrushキャンバスに戻す事ができます。



作成パイプラインに直ぐに投入できます

ZBrushでは低解像度のメッシュに高解像度のディテールを写像する"法線マップ"を作る事ができます。法線マップは、ゲーム内で十分にリアルタイムに動かせるような低解像度なメッシュでありながら、外見はZBrush上のように超複雑なディテールを持たせる事ができる事ができる技術です。

ZBrushには法線マップを作成する為に必要なツールはほとんど揃っています。さらにZBrushでは最大 1,000,000,000[10億]ポリゴンの高解像度(HD)モデルから法線マップを作る事も可能です。


さらに、無償の Decimation Master プラグインを使えば、高解像度のメッシュのディテールを保ったまま大幅にポリゴン数を削減する事ができます。一般的な3DソフトウェアはZBrushが扱えるような巨大なポリゴン数のデータを直接読み込む事ができません。つまり、Decimation Master プラグインを使えばオリジナルのディテールを十分に保持した「軽いバージョン」のメッシュデータを作成しZBrushから出力できる事を意味します。 この「軽いバージョン」のメッシュデータを、3Dオーサリングソフトに読み込み、3Dオーサリングソフト側でリトポしたり、法線マップを作成したり、ディスプレイスメントマップを作成する事ができるでしょう。

 
 

著名なビデオゲーム・スタジオのほぼ全てでZbrushが使用されています。

お陰様でその強力な機能が認められ、世界中の著名なビデオゲームスタジオのほぼ全てでZBrushがパイプラインツールとして採用されました。よく見かけるビデオゲームキャラクターの殆どはZBrushを通して作成されていると言っても過言ではないでしょう。

ここにZBrushを使用しているゲームスタジオの一部を挙げておきます
Epic Games, BioWare, Electronic Arts, Ubisoft, 株式会社スクウェア・エニックス, Crytek, 株式会社セガ, Naughty Dog, 株式会社バンダイナムコゲームス, Midway, ソニーオンラインエンタテインメント, Turbine, Cryptic Studios, NCSoft, Funcom

ZBrush アーティスト: Bernard Beneteau, Midway
ZBCスレッド参照
 

"ZBrushは既に業界標準と言えるアプリケーションになっています。もし貴方が業界に入りたいのであれば、ぜひZBrushを学んでください。ZBrushをマスターする事が業界への近道です。"

Patrick Switzer, キャラクターアーティスト - Pendulum



ビデオゲームからのインスピレーションとコミュニティー活動

世界中のZBrushユーザーが集う ZBrushCentral には、定期的にゲームの熱狂的ファンから作品が投稿されています。例えば、このボタンをクリックしてみてください。有名なゲームからインスピレーションを受けたユーザーの投稿作品を見る事ができます。

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"私達はゲームのあらゆる場所でZBrushを使っています。シーンデザイナーもキャラクターアーティストも同じくらいZBrushで制作を行っています。ZBrushが無かった時代に戻るなんて考えられません。ZBrushは私達のパイプラインに欠く事のできないツールなのです。"

Shane Caudle, テクニカルアートディレクター - Epic Games