トポリジー&ジオメトリ機能の拡張
パネルループ [Panel Loops]
新機能のパネルループ [Panel Loops]を使うと、1クリックでポリグループを「厚みのあるパネル(完全にパーツして分離)」に変換したり、「ベベル付きでパネル状に押し出し」する事ができます。また編集可能なカーブでパネルの断面の形状[ベベル形状]を定義する事ができます。これは既存の「メッシュ抽出[Mesh Extract]」の進化バージョンと言える機能で、より高度なコントロールを提供するでしょう。またメッシュの解像度が低くてもパネルループの境界は非常に滑らかな形状を生成します。パネルループは、ベースメッシュの外側もしくは内側のパネルとして生成したり、単純な押し出しとしてのパネルや完全に分離したパネルとして作成する事ができます。

パネルループ[Panel Loops]は"装甲版"や"カウル"などコスチュームデザイン、工業製品デザイン、ハードサーフェスモデリングのスピードアップに絶大な威力を発揮します。パネルは「ポリグループ」に基づいて生成させる事ができるので、モデルをパネル状のセグメントに分割する為にZBrushの素早くかつスマートなポリグループ変換機能を利用する事ができます。




アライン・ループ [Align Loops]
アライン・ループ [Align Loops]はループ削除 [Delete Loops]と同じシェイプを生成しますがポリゴンは削除しません。単純に頂点を移動させるだけです。トポロジーを変化させずにサーフェスをフラット化させたい場合に有用かもしれません。

ZBrushアーティスト: Jared Krichevsky

ループ削除 [Delete Loops]
新しいループ削除 [Delete Loops]コマンドは、指定した角度に基づいてモデルのトポロジーを解析し、モデルの形状にあまり影響の無い不要なエッジループを削除しポリゴンを綺麗に削減する事ができます。簡単に言うとフラットな部分のポリゴンループを削除する事ができます。この機能はポリゴン数に制約のあるアーティスト(ゲームデザイナー等)だけでなく、ハイディテールモデラーにも非常に有用な機能です。削減した分、さらに多くのサブディビジョンレベルを加えてスカルプトする事ができるでしょう。

副産物として新しいループ削除 [Delete Loops]コマンドを強く適用する事で、オリジナルモデルに由来したバリエーションモデルを生成する方法としても面白いかもしれません。




ZBrush Artist: Daniel Bystedt
ZBrushアーティスト: Jared Krichevsky

Polish by ~の改良
DeformationサブパレットにポリグループとCreaseエッジ両方を考慮してポリッシュ(磨き)を加える"Polish by Feature"スライダーが追加されました。さらに"Polish by~"コマンドにはボリュームを維持するトグルスイッチが追加され、オブジェクトを痩せさせる事なくボリュームを維持したまま磨きを加える事ができます。この機能によりラフなモデリングを非常にかっちりとした外見に仕上げる事ができます。

Frame Meshの改良
CurveストロークのFrame Meshコマンドは、ポリグループ境界線上あるいはCreaseエッジ上にカーブを作る事ができるようになりました。Curve Multi Tubeブラシのようなカーブベースのスカルプトブラシで利用したり、QRemesherのガイド生成にも利用できます。

ポリグループに基づくワークフローの強化
前述のパネルループ [Panel Loops]機能はメッシュ上のポリグループに基づいて機能します。その為ZBrush 4R5ではモデルに素早く目的の形にポリグループをアサインする多くの機能を提供します。新しい"Merge Stray Groups"を使えば、ポリペイント→ポリグループ変換[PolyGroups from PolyPaint]を使った時に発生するピクセル状の浮動ポリグループを近接するポリグループに融合してクリーンな状態にする事ができます。

サーフェースの法線角度に基づいてポリグループを割り当てる機能も追加されました。

さらに1クリックでポリグループの境界線上にCreaseエッジを追加したり取り除く機能も追加されました。これはポリグープ境界線以外の場所にあるCreaseエッジには影響しません。